【天皇杯決勝】神戸ー鹿島

大分サポーターの僕にとって気になるのは、藤本憲明の動向だった。自身にとって初のJ1シーズンの途中で、エースとして君臨した大分を去って神戸に移籍。そんな彼の今季開幕戦はカシマシタジアムの鹿島戦で、2点を決めて一躍名を馳せた因縁の相手だ。スタメンに名を連ねた時点で、何かが起きそうな予感はしていた。

神戸の先制点は当初こそ藤本のゴールとされたものの、オウンゴールに訂正される。しかし、彼が絡んでいたことには間違いない。そして2点目は正真正銘、藤本のゴール。あのポジションにいることが彼の最大の魅力なのだ。今季は負傷もあり、あまり神戸では活躍できなかったし、結果論としてみれば古橋の当て馬的な意味合いになってしまった側面がある。それでも腐らずに大一番でゴールを決め、LT(Love Trinita)ポーズを改良したN(Noriaki)ポーズを見せたあたりはさすがだ。ちなみに、Nは裏から見るとLTにも見えるのだ。

報道はポドルスキーイニエスタに偏重しているが、今の神戸で話題にすべきは藤本と古橋ではないだろうか。ダビド・ビジャが引退し、ポドルスキーが退団するとなれば、必然的にこのふたりに神戸の来季はかかってくる。金で選手を買い漁る経営スタイルは好きではないが、プロサッカーが一義的に興行であることは疑いない事実。日本人スターがチームを牽引すれば、経営面でも効果があるはずだ。