【ドラマ】ホットゾーン

ナショナル・ジオグラフィック制作のドラマ「ホットゾーン」は、エボラウイルスをめぐる実話ベースの物語。軍と保健省の縄張り争いや、それぞれの要職にある者がかつてザイールで行動を共にした際のエピソードがバックグラウンドとなって展開する。米国の首都ワシントンDCの近郊でこのような危機が迫っていたのかと思うと、感染症の怖さを実感せざるを得ない。

ただ、実話がベースなだけに、過度に話を膨らませるような事件は起きず、最後はウイルスの保菌者となったサルとの闘いが描かれる。リアルな底知れぬ恐ろしさは感じるものの、ドラマとしての厚みには欠けるので、物足りない印象も拭い切れない。ドキュメタリーとフィクションのそれぞれの良さを消してしまった感があるのは、少し残念な点だろう。

主演は「ER」のキャロル・ハサウェイや「グッドワイフ」のアリシア・フロリクを演じるジュリアナ・マルグリーズ。「Dr.House」でウィルソンを演じるロバート・ショーン・レナードも登場するが、吹替の声が違うので違和感もある。主人公の夫であるジェリーの声は「ラストシップ」のスラッタリー副艦長と同じ山野井仁で、ジェリーとスラッタリーの役者が似ていることは興味深かった。