【プレミア12】日本―オーストラリア

1点を争う緊迫したゲームでは、日本の真骨頂であるスモールベースボールが生きるチャンスがある。代走で登場した周東が二盗、三盗を決めて、2アウトからの源田のセーフティスクイズ。セオリー通りなら一塁線に転がすところだが、ピッチャーの守備範囲に打球が行く。キャッチャーはホームベースをカバーせず、ピッチャーもグラブを突き出してタッチに行ったために、周東は軽々と潜り抜けてしまった。

2アウト3塁でフォースプレーにはならないので、タッチアウトを取る必要があった場面。このようなケースをバッテリーが想定していたとすると、アウトになった可能性は高い。しかし、オーストラリアの選手の頭には微塵もなかったのだろう。国際試合のこの勝負所でセーフティスクイズを仕掛けてくるのは、日本くらいかもしれない。

勝ち越してマウンドに登った山崎康晃ツーシームのキレも素晴らしく、危なげない投球ぶりだった。ただ、苦しんで搾り取った勝利であって、決して余裕があるわけではない。メキシコと韓国には苦戦を強いられるだろうが、先に失点をしない展開に持ち込みたいところだ。