【フランス杯】エキシビション

スケートアメリカの中継で解説の八木沼純子がジャンプの種類をコールすることを批判したが、そのメッセージがテレビ朝日に届いたのか、フランス杯では大幅に改善されていた。基本的に、演技中のコメントは最小限に留められ、実況も解説も無言の時間が長かった。スポーツ中継を行うテレビ局としては難しい判断なのかもしれないが、音楽でも舞台美術でも曲や台詞に被せてコメントすることは極めて例外的なのだから、当たり前のことだと思う。八木沼純子が我慢しきれずに小さい声でジャンプの種類をコールしてしまうくらいならば、まあ笑って許せる。

スケートカナダエキシビションで解説を務めた佐野稔は、まるで素人のように純粋な感想が中心だったが、それはそれで心地よかった。ジャンプの美しさへの素直な感動や賞賛は、聞いていてストレスを感じない。試合(採点系の競技にこの表現を使うことは個人的には好きではないのだが)とエキシビションは別のものと割り切ればよいのではないか。

せっかく一視聴者の意見が叶いつつあるので、もう一言。時間軸を無視して日本選手の過去の演技や舞台裏を過剰に振り返るくらいなら、海外の選手の素晴らしい演技をひとりでも多く見せてほしい。もっと言えば、ペアやアイスダンスにももう少し時間を割いてほしいものだ。