【USオープン】大坂なおみ―ココ・ガウフ

ファーストセットはブレイク合戦の末に大坂が押し切ると、集中力が切れてしまったのかセカンドセットは6-0のベーグルで大坂が圧倒した。終了後に大坂がガウフに声を掛け、戸惑うインタビュアーを尻目に勝者と敗者が並ぶ珍しいオンコートインタビューが行われた。「シャワーで一人で泣くより、誰かと話したほうがよい」という大坂流の気配りだったと伝えられ、スタンドは万雷の拍手だった。場合によっては「敗者を晒し者にした」と批判されかねないと思っていたのだが、杞憂に終わったのは日頃の大坂のふるまいがあってこそだろう。

 

僕にとって印象的だったのは、そのオンコートインタビューが終了した直後。大坂はベンチに戻ると、自分が食べたバナナの皮とペットボトルを自分でごみ箱に処理したことだった。普通はスタッフに任せるだろうに、そうすることが当然と言わんばかりに後片付けを済ませていた。「日本人じゃない」といった言われ方をしている大坂なおみだが、よく言われるようにメンタルは紛れもなく日本人のそれなのだ。

 

クォーターファイナルの相手は苦手のベンチッチ。あまりナーバスにならずに、楽しんでテニスをしてほしい。負けてもポイントを失うだけで、一時的なこと。いくらでも取り返せる。