エンタテイメント

【浦沢直樹】夢印

浦沢直樹×ルーブル美術館のプロジェクトによる「夢印」の単行本が出ていることを書店で知り、迷わずにすかさず購入しました。浦沢らしく壮大なのにどこか抜けていて、登場人物もダメな父親と頭の回転の速いストイックな少女という王道の浦沢路線です。オマー…

【原田マハ】たゆたえども沈まず

「暗幕のゲルニカ」に続いて、原田マハの作品「たゆたえども沈まず」を読了しました。これはフィンセント・ファン・ゴッホのパリ以降の生涯が、弟のテオや日本人画商の林忠正、そして架空の人物である重吉の目を通して綴られます。ゴッホといえば、耳を切り…

【映画】ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ アディオス

Facebookの情報で知ったこの映画を、日比谷のシャンテで鑑賞してきました。ヴィム・ヴェンダーズは製作総指揮という立場なので「続編」とも言い難いですが、オリジナルのドキュメンタリーも劇場で見たし、ブエナビスタのアルバムは今でもよく聴きます。そし…

【原田マハ】暗幕のゲルニカ

新潮文庫で原田マハの「暗幕のゲルニカ」を読了しました。僕はマドリードのソフィア王妃芸術センターでゲルニカを鑑賞しましたが、展示室に入った瞬間に感じた衝撃を鮮明に覚えています。言葉では表現し尽くせないような、やるせないというか狂おしいまでに…

【コミック】BLUE GIANT SUPREME(5)

この作品は、本当に音楽そのものやミュージシャンの描写が見事だと思う。今回の第5巻もまた、ジャズプレイヤーのアイコンタクトやインプロビゼーションがふんだんに、そして繊細に描かれていた。もうそれだけで、お腹がいっぱいになるくらいなのだ。ついに…

【ドラマ】ビッグ・リトル・ライズ

Amazonプライムビデオで見た「ビッグ・リトル・ライズ」は、ニコール・キッドマンとリース・ウィザースプーンのダブル主演で話題を呼び、エミー賞も受賞したドラマ作品。殺人事件が起きたことは冒頭からわかっていながら、時系列を入れ替えて被害者が誰なの…

【トニー賞】主役はMC?

第72回トニー賞は、MCのジョシュ・グローバンとサラ・バレリアスがとにかく歌いまくり、一番目立っていた印象だった。ミュージカル部門で作品賞と主演男優、女優賞を独占した「バンズヴィジット」は確かに面白そうだが、インパクトという意味では「スポンジ…

【コミック】よつばと!(14)

12巻から13巻までの間隔が2年8ヶ月で、そこから今回の14巻までが2年5ヶ月。最初のエピソードの月刊誌初出は2年前ということで、あずまきよひこはどれだけ休載が多いのかという話ですね。もう「さすが」としか言いようがありません。 彼は推敲に推敲を重ねる…

【イクスピアリ】moreru mignon

舞浜のイクスピアリにオープンしたプリントシール機専門店の「moreru mignon」は、ピンクジェニックをキーワードに女子が好きそうな自撮りしたくなるような作りになっています。女性クリエイターとコラボしたオブジェが、目を惹きますね。ここは男性のみでの…

【ドラマ】モーツァルト・イン・ザ・ジャングル

アマゾンのプライムビデオで配信されていた「モーツァルト・イン・ザ・ジャングル」にシーズン4を見終えました。このシーズンでは日本のエピソードが含まれ、ヘイリーが出場する指揮者コンテストのスポンサーであるフクモトソフトも社長役でマシ・オカが登場…

【コミック】BLUE GIANT SUPREME(4)

BLUE GIANT SUPREMEの4巻を読んだが、本当にこの作品は音楽の深みが描かれていると思う。特に宮本大が集めたメンバーがジャムセッションでお互いの腕を確かめようとする場面で、サックスとピアノ、ベース、ドラムスの音というよりもステージの熱気やインプロ…

【アカデミー賞】デル・トロ圧勝

第90回となったアカデミー賞授賞式は、コンパクトにまとまってテンポよく進むショーだった。昨年は作品賞の受賞者を取り違えるという前代未聞のミスが起きてしまったが、今年はそのミスをネタにしてしまうあたりはさすがアメリカだ。ウォーレン・ベイティと…

【コミック】さよなら私のクラマー(5)

新川直司のこの作品は主人公が誰なのかわかりにくいし、登場キャラが多く描き分けもうまくないので、誰が誰だかわからなくなってしまいます。第5巻では他校同士の対戦も並行して描かれるので、いっそうわかりにくさが募ります。その点がとにかくストレスにな…

【JAEPO2018】二極化するゲームセンター

今年も半分仕事で、アミューズメントゲーム機器の展示会JAEPOへ。展示を見て感じたのは、ゲームセンター向け商品が二極化しているということでした。投資額が大きいハイスペックなものと、見るからにチープなものに分かれる傾向があり、この流れでは男性のコ…

【ドラマ】HAWAII FIVE-0

HAWAII FIVE-0のシーズン7はAXNで最終話が放送されたが、ラストシーンは少女を売春させる組織に怒りを燃やすコノが、険しい表情で米国本土に向かう機内だった。シーズン8では、チンとコノは出演の契約が結ばれていないので、このままハワイから消えることに…

【ゴールデングローブ賞】政治と同調と

今年のゴールデングローブ賞は、純粋に賞の行方以外のところに目が行ってしまう作りだったことが気になった。例えば、ブラックのドレスコード。いわゆるセクハラ問題への抗議ということだったが、まるで日本文化を評する際に使われる「同調圧力」のような雰…

【ドラマ】ブラックリスト

先に妻がハマって、何気なく一緒に見せられているうちに僕も引き込まれるようになってしまったのが「ブラックリスト」です。主人公の「レッド」ことレイモンド・レディントンは悪人なのですが、正義も併せ持っていて、憎めないキャラクターなのです。彼以上…

【映画】ローグワン/スターウォーズストーリー

スターウォーズ本編は「フォースの覚醒」も「最後のジェダイ」も劇場で見たのですが、スピンオフ作品のローグワンは見ていませんでした。WOWOWを録画したのに、時間が長いこともあってなかなか見る機会がなかったのです。年末の休みに入ったので、今日はつい…

【ドラマ】EYEWITNESS/目撃者

スカパーのスーパードラマTVで放送された「EYEWITNESS/目撃者」は、ノルウェー製作のドラマをリメイクしたもの。以前放送されていたデンマークとスウェーデンのドラマ「ブリッジ」もそうでしたが、なぜか北欧系ドラマは画像の色彩を抑えて暗めな映像に仕上げ…

【映画】スター・ウォーズ/最後のジェダイ

待ちに待ったスターウォーズⅧ「最後のジェダイ」を、浦和のユナイテッドシネマで鑑賞した。ジョン・ウィリアムスの最初の和音は決して耳に心地よくはないが、あの音ですべてのストーリーが蘇り、作品への期待が最大化する。デジタル音楽全盛の時代に、これだ…

【映画】ポリーナ、私を踊る

ヒューマントラストシネマ有楽町で、フランスのグラフィックノベル原作を映画化した「ポリーナ、私を踊る」を鑑賞しました。これはバレエ映画というよりは、自己実現の物語。モスクワの少女ポリーナが、ボリショイを辞めてフランスのエクス・アン・プロヴァ…

【Docomo×Perfune】Future Experiment

NTTドコモがPerfumeを使ってライブ配信したプロジェクト「Future Experiment」は、Perfumeの3人がそれぞれニューヨーク、ロンドン、東京で踊っているというか振りを付けているところを合成したもの。離れた場所でパフォーマンスしている3人の動きがシンクロ…

【コミック】BLUE GIANT SUPREME(3)

ジャズをテーマにした「BLUE GIANT」がいったん完結し、主人公の宮本大がドイツに渡って新たなスタートを切る展開を描く続編の「BLUE GIANT SUPREME」も3巻目。今回は、ハンブルクからベルリンに向かうところまでを扱っている。バンドのパートナーを探す宮本…

【コミック】バレエ・リュス

新宿のブックファーストでたまたま見かけて即購入した桜沢エリカの「バレエ・リュス」はバレエをテーマにしたコミックで、ディアギレフとニジンスキーの物語として描かれます。彼らのパリのシャトレ座での公演は、オペラに比べて「低俗」という位置づけにあ…

【ダン・ブラウン】「Origin」を読了

Dan Brownの「Origin」をUS版で読了しました。宗教と科学の対立について大風呂敷を広げて展開するのですが、実はAIの物語なのかもしれません。Winstonと名付けられたアシスタントのようなコンシェルジュのようなAIをストーリーテラー的に登場させますが、謎…

【ダン・ブラウン】新刊「Origin」

早く読みたいと思いつつ、なかなか買いに行く時間が取れなかったDan Brownの新刊「Origin」をようやくゲットしました。日本語版はまだしばらく出そうもないので、とにかく英語版で読んでしまおうということですが、僕が英語でも読もうというモチベーションが…

【映画】ファンタスティックビースト

この作品「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」はもっと子ども向きに仕立ててあるかと思いきや、ハリーポッター同様に細部に凝ったJ.K.ローリングらしい展開でした。原作を読んでいればもっと楽しめるのでしょうが、映画ではどうしてもダイジェス…

【エミー賞】受賞スピーチでホミサイド

日本時間で月曜日の朝に開催された第69回エミー賞の授賞式で、ドラマシリーズ部門の主演男優賞を獲得したスターリング・K・ブラウンのスピーチが印象に残った。今回は「THIS IS US」での受賞だが、「アメリカン・クライム・ストーリー/O.J.シンプソン事件」…

【コミック】グッドナイト、アイラブユー(4)

書店の手書きPOPで興味を持って読み始めたコミック「グッドナイト、アイラブユー」が、第4巻でついに完結してしまいました。どこまで続くのかという思いもありながら、巻ごとに書店でもなかなか見つからずに探し回るという苦行だったので、完結してホッとし…

【映画】モアナと伝説の海

ストーリー展開は予想を裏切らないし、仕立てもいかにもという感じでどこかで見たようなディズニー映画なのですが、それでも楽しめてしまうのはさすがの一言です。ポリネシアンの描き方もステロタイプながら、海に対する畏怖や敬意がわかりやすく、ダイバー…