アート/絵画
東京国立博物館平成館で開催されている「縄文展」で感じたのは業界ネタになってしまうのですが、「遮光器土偶の遮光器とは、デカ目強調し過ぎた盛れ過ぎの造形なのではないか」ということでした。まさにプリクラの原型ではないかということなのです。 他の土…
越後妻有トリエンナーレ「大地の芸術祭」で6年ぶりに再訪した内海昭子の「たくさんの失われた窓のために」は、清津川に臨む段丘に作られたアート作品。借景としての自然とアートが融合さた、素晴らしい空間です。アクセスが悪いので、あまり人は訪れていませ…
前回はパスしたので、6年ぶりの越後妻有トリエンナーレ「大地の芸術祭」へ日帰りで出掛けてきました。新幹線+レンタカーなので、ちょっとコストはかかりますが、効率を考えるととても満足できる日帰り旅行になりました。今回の最大の狙いは清津峡。渓谷を望…
藤田嗣治の画風は、「カフェ」に代表されるようなパリのエスプリを纏い、日本のマンガのようなデフォルメで表情を描いた作品です。東京都美術館のこの展覧会で、「カフェ」はニューヨークで制作されたことを知って意外な印象を受けたのですが、藤田はひとつ…
横浜美術館の「モネ それからの100年」は、モネを起点にコンテンポラリーアートを紡ぎ直した構成で、キュレーターの渾身の思いが伝わってくる構成でした。モネが表現したのは、睡蓮でもチャリングクロス駅でもエトルタの断崖でもなく、ただ自らの瞳に映る「…
東京都庭園美術館の「ブラジル先住民の椅子」展は、訪れた人の評価が高かったので気になっていました。とてもプリミティブな作品群ですが、温かみや生活感が窺われて、懐かしいような不思議な気分にさせられるのです。微妙な表情の違いや眼、歯など細部のこ…
いわさきちひろは、どちらかと言えば好きではない画家でした。無表情なイラストを描く人、という程度の認識だったのですが、展覧会のポスターに使われている絵の色彩に意外な印象を持ったことで、この展覧会を訪れてみることに。 冒頭に展示されていたローラ…
東京国立近代美術館のゴードン・マッタ=クラーク展は、ソフィスティケートされたイメージのクールなコンテンポラリーアートが楽しめます。ただ、テーマが拡散し過ぎてしまっているので、後に記憶として残る印象は薄くなります。グラフィティの連作を都会の…
この時期の関東の美術展は、あまり興味を惹かれないものが多いと感じていました。ワタリウム美術館の「理由なき反抗」展も、ジェームス・ディーンのオマージュものかと思って敬遠していましたが、情報をチェックしてみるとコンテンポラリーアートを「理由な…
あまり気乗りしないまま、国立新美術館のルーブル美術館展に向かっていたところ、文化庁メディア芸術祭も同じ会場で開催されていることを知って、あっさり目的地を変更しました。無料ということもあって、結構子供連れで混雑するのですが、この日は意外と空…
今回の松本遠征はもちろんサッカー観戦が目的でしたが、この草間彌生展も実はメインと言ってもよいくらい楽しみにしていました。松本市は草間彌生の故郷ということもあり、松本市美術館は外装から草間一色に塗りつぶされていました。彼女が松本で暮らしてい…
葉山の神奈川県立近代美術館で、終了間近の「ブルーノ・ムナーリ展」を鑑賞しました。ムナーリの作品は、色と形と配置によって表現されています。つまり、何も描かれていない部分は「そこに何も配置しない」という意思決定の結果であって、単なる空白ではな…
六本木ヒルズの森美術館で開催されている「建築の日本展」は、素材や構造、機能まで幅広い観点から見せてくれます。フランク・ロイド・ライトや丹下健三の作品も解説されており、コンセプトのような言葉がフィーチャーされているのが特徴です。 建築はオペラ…
六本木アートナイトからの流れで、サントリー美術館の「ガレも愛した清朝皇帝のガラス」展へ。造形それ自体よりも、これだけ美しく多彩は色の発色を追求し、獲得したことに純粋に敬意を表したくなります。古代にこれだけの「基礎研究」をしてくれたからこそ…
今年の六本木アートナイトは、ファミリー層を意識した内容でした。参加型のインスタレーションが多い印象ですが、そんな中で六本木ヒルズの毛利庭園に設置されている作品は池に灯籠を浮かべたもの。三枝文子の「踊るランタン」は初夏を思わせる陽気ともあい…
東京国立博物館で開催されている特別展「名作誕生 ーつながる日本美術」を鑑賞しました。第一会場はひたすら史料として美術作品を見せていて、いかにも博物館らしい展示になっています。正直言ってこういう見せ方は好きではないのですが、博物館の展示なので…
広尾の有栖川宮記念公園に近いドイツ大使館では、ベルリンの壁崩壊25周年の企画で壁画が描かれています。この壁にはいつも何かしらの人目を惹くアートが施されていますが、今回もなかなか印象的ですね。これは日本人画家の乾慎一郎が手掛けたものとのことで…
北浦和の埼玉県立近代美術館で開催されている「モダンアート再訪」は、休館中の福岡市美術館の所蔵品による展覧会です。いつも工夫が光るこの美術館にしてはひねりの少ない見せ方ですが、リキテンスタインにウォーホル、草間彌生が並んでいるのは圧巻でした…
パナソニック汐留ミュージアムで開催されているジョルジュ・ブラック展は、絵画ではなく「メタモルフォーシス」というジュエリーや立体の作品が中心の展覧会。事前に情報を得ていたからよかったけれど、知らずに訪れていたら物足りなく感じたことでしょう。…
東京都美術館で土曜日に開幕したプーシキン美術館展は、ロシアに渡ったフランス絵画を堪能できます。日本人もフランスへの憧れは強いですが、ロシア人も相当なものだと思うのです。パリの石畳みの街並みや緑豊かな郊外の風景に、フランスを訪れたくなる衝動…
京都国立博物館で始まった池大雅の特別展へ、初日の朝に出掛けてきました。大雅のアプローチは多彩ですが、中国の伝統的な技法を随所に感じさせます。正統を学びながら、それを自身の画風に昇華させているあたりが、彼の才能なのでしょうね。書からの知識も…
東京藝術大学の大学美術館で開幕した「東西美人画の名作 序の舞への系譜」展を訪れました。浮世絵の時代の美人画は、人物よりどちらかというと着物の美しさにフォーカスが当たっていますが、近代になるにつれて表情を描こうとしている画家の意図が感じられる…
国立新美術館の「ビュールレ・コレクション 至上の印象派展」では、印象派を中心に多彩な絵画を楽しめます。スイスの実業家であるエミール・ゲオルグ・ビュールレが蒐集した作品を美術館として展示していましたが、盗難事件の余波もあって2015年に閉館してし…
三菱一号館美術館で開催されているオディロン・ルドンの展覧会「ルドン — 秘密の花園」へ。彼の作品を俯瞰して見たことはなかったので、どうしてもこの美術館術館に常設されている「グランブーケ」の印象が強く、ファンタスティックでタペストリーに合いそう…
東京ステーションギャラリーの隈研吾展「くまのもの」は、アートとしての建築というより、建築資材の使い方を博物的に見せる内容です。博物のアプローチはあまり好きではないのですが、この展示は建築においてロジカルな左脳とクリエイティブな右脳がどちら…
国立西洋美術館のプラド美術館展「ベラスケスと絵画の栄光」を鑑賞しました。マドリードのプラドを訪れた際はエルグレコとゴヤを堪能したのですが、今回の出展内容は日本での知名度の高くない地味な作品が中心なので、テーマを決めて鑑賞した方がよさそうで…
トーハクこと東京国立博物館を訪れ、平成館で開催されている「仁和寺と御室派のみほとけ」と表慶館の「アラビアの道―サウジアラビア王国の至宝」を鑑賞しました。画像は仁和寺の観音堂を再現している第2会場ですが、ここだけ写真撮影が可能です。来場者でご…
多摩美術大学の上野毛キャンパスに、統合デザイン学科の卒業制作展を見に行きましたす。統合デザイン学部は今回の卒業生が一期生になるようです。この展覧会は会社宛てにご案内をいただいたのですが、どんなルートで僕の所属と役職を知ったのかが気になりま…
白金台の東京都庭園美術館で開催されている展覧会「装飾は流転する」を訪れました。英語のタイトルは"Decoration never dies, anyway"で、こちらの方がセンセーショナルで企画者の強い意志を感じます。旧朝香宮邸のアールデコ建築に散りばめられたコンテンポ…
パナソニック汐留ミュージアムで、土曜日に開幕したヘレンド展。その初日に訪れました。ハンガリーのヘレンド窯で作られた磁器は、鮮やかな彩色が印象的。陶磁器らしい青も使われていますが、赤やピンクなどとにかく色彩が華やかです。東洋を思わせる辮髪や…